
昔、はまった作者です。
高校の時、友人に紹介してもらい「空の食欲魔人」という本を読んだのが河原泉作品との出会いです。その後、おもしろくて色々と読みました。
大人になってからも懐かしくて新しい作品を買ったり、Kindleに昔読んだものがいくつか入ってたりします。
なぜか癖になる面白さなので、その面白さについて書きたいとおもいます。
気取らない、完璧じゃない主人公というのがよい
主人公は、女子高生とか若い女性が多いのですが、親をなくしていたり、学校生活がうまくいかなかったりと、なんらか事情はあるものの、それを特に引きずることなく嘆く、たくましく過ごしています。
周りにふりまわされず、ある意味しっかりしている子がおおいんです。
「進駐軍(GHQ)に言うからねっ! 」(空の食欲魔人に収録)は、家族を亡くし、ビル掃除のバイトをしていた女子高生が生きてくのに都合がよいと打算的に判断して、中年サラリーマンの家政婦をしないがら偽装結婚するという。なかなか思い切った行動です。高校生でこの決断をパッとする事はなかなかできないと思います。
この話に限らずですが、すべての作品(だと思う)で、主人公の女性は普段、顔が整った美人ですが、かなりギャグ要素もはいのでその時は四頭身くらいので書かれることもあり、クスッと笑えるところも多いです。
誰もが憧れる女性…という感じではなく、どこかぬけていて、とぼけた感じもあったり、そこに親しみやすさを感じます。
とくに、「笑う大天使(ミカエル)」のシリーズでは、お嬢様学校に通う、お嬢様になりきれない三人組がお嬢様たちに学園で一目置かれ、活躍するという話なので、ドタバタコメディ要素が多く、楽しいですね。
恋愛要素ありのものは、意外な二人の組み合わせが面白い
中には、友達以上、恋人未満のように恋愛と言い切れないものもありますが、主人公二人の組み合わせが面白いです。
例えば、先にあげた「進駐軍(GHQ)に言うからねっ! 」もそうですが、
「アップル・ジャック」の男性自衛官と、父が軍人で戦死した経験から戦争を嫌うモデルの女性。
「愚者の楽園」の日本農園(感染症みたいな名前…)というトロピカルフルーツの農園経営者と勉強が苦手な女子高生とか。
(↓愚者の楽園はこちらに収録)
「架空の森」は大会社の社長の隠し子と、田舎に住む剣道が得意な女の子とか。
登場人物と職業とか環境が独特です。こんな組み合わせを思いつくのがすごいです。あまり見ない組み合わせ。
接点がなさそうな二人だと思いますし、この二人が一体どのように知り合い、どのように距離を進めていくか想像がつかなくないですか。
お互い、普通では恋愛に発展することがあまりなさそう?な組み合わせなので、はじめは主人公たちもお互いをそういう風に感じているため、恋愛への持って生き方が穏やかです。
お互い、熱い思いで「好きです!」みたいな描写もなく、ふんわりとお互いの好意を感じて終わることがありますが、これはこれでいいなと思います。
べつに、ガチガチの恋愛漫画が嫌いなわけではないんですが、そういうのは読んでてふとはずかしくなることがあるので。
ちょこっと賢く慣れた気がする
作品により、主人公たちの職業に関する知識が散りばめられており、興味深く読めるところもよいですよ。
読むと、賢くなったように感じるんですよね。「美貌の果実」は
小さいワイナリーをついだ女子高生と大手メーカーの社長とのお話なんですが、ワイン種類とか、作り方もちょいちょいはさんできて、ワインに少し詳しくなれます。
また、甲子園の空に笑え「甲子園の空に笑え」や、「メイプル戦記」では野球、
「中国の壺」は中国の唐の時代とかのちょっとした知識を知ることができます。
(↓中国の壺収録はこちら)
ヒューマンドラマ+αで楽しめるお得感があります。
あと、日本語の単語にあえて英語の発音のふりがなうったりしているところも、学生時代に英語が苦手だった私には読むと賢くなったようにかんじました(気のせいですが)。
知識メインのお話でないため、途中で、わからない!となったりすることなく、へ〜ためになったとさらっと読めるところがよいんですよね。
こういう知識系をチョコチョコ挟んでくることで、話が深刻になりすぎず楽しめるところもよいなとおもいます。
気軽によめて、ほっこりでき、ちょっとした知識も得られるので河原泉先生の漫画はおすすめです。
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